
樹幹は通直で、太い枝が下部では水平に近く張り出し、梢に近い枝はやや斜め上向きに立つ。若い時の樹冠は整った美しい形の円錐形で、老木になると、やや拡がった広卵状円錐形となる。
樹幹の形は針葉樹のうちでは下から上へ向かっての太さの減少が大きい、いわゆる「うらごけ」で、安定した美しい風格がある。地元の林業家は、孤立した大径木のモミを山の神として大切にしている。

植栽や播種で森林を育成することを人工更新(人工造林)という。天然の種子の落下や切株からの萌芽を利用して森林を育成することを天然更新という。モミの人工更新はほとんど行なわれておらず、多くは天然更新による。
モミは陰樹で、要光度は低く、幼時は上木の庇陰下によく生存する。特に落葉広葉樹林やアカマツなどの陽樹林の下木として良好な生育を示す。壮齢期以後は要光度が高くなるので、上層を形成する。深根性、緩傾斜の適潤地を好むが、酸性土壌や乾性土壌にも生育する。

材は、辺材と心材の区別がなく、白色。木理(きめ)は概ね通直で肌目は疎。加工は容易だが狂いやすく、保存性は低い。棺おけ、卒塔婆等に用いられる。幼木はクリスマスツリーに用いる。
樹形の美しい大木となることから風致木や公園、盆栽としても重要である。スイスの民族楽器アルプホルンはスイス産モミ属の根の曲った部分を活かして作る。

モミの天然分布からみると、福島県以南が多いので、小説「樅の木は残った」にあるように「北国の木」とするには問題がある。青森県から石川県にかけての裏日本および福島県にも非常に少ない。しかし、庄内平野の丘陵地にはモミが生育している。風格があるので、昔から人々に親しみの高い木である。
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